2010年1月30日土曜日
累積投票のススメ
会社法に累積投票制度(会社342条)というのがある。この制度は、次のようなものである。二人以上の取締役の選任を行う場合に、株主は選任する取締役の数だけ議決権を有する。議決権はまとめて一人の候補者に投票することもできるし、分散させて投票することもできる。これは一種の比例代表制とも言え、少数株主からも取締役を選出できる制度である。しかしながら、この制度は現行会社法の下では定款で全面的に排除することが可能である。取締役会内部に混乱を招くことを防ぐのが目的というのだが、むしろ、取締役会が仲良しクラブになっている現在の状況の方が問題であろう。取締役会の多様性を確保し、監視のパフォーマンスを高めるためにも累積投票を積極的に活用すべきと思う。これによって、例えば、従業員持株会から従業員代表を取締役会に送り込むこともでき、ステークホルダー=従業員の利益を考慮することができるであろう。具体的には、累積投票制度を法によって強制するよう会社法を改正すべきことを提唱したい。
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