2010年3月23日火曜日
2010年3月15日月曜日
金融庁のパブリックコメント
金融庁が付していたパブリックコメントに以下の意見を送りました。一昨年から、ハーバード大学法科大学院(ロー・スクール)に留学していた当初、日本での政権交代によって、ここまで投資家寄りの政策に急速に舵を切るようになるとは、予想だにしていませんでした。取締役選出における累積投票、株主総会での秘密投票などの提案については、別に項を設けて情報を発信していこうと思います。ちなみに衆議院第二議員会館での様子は、こちら。
「企業内容等の開示に関する内閣府令(案)」等の公表についての意見
下関市立大学 准教授 溝渕 彰
1 役員報酬の開示について
経営者と株主との間に存在するエージェンシー・コストを削減するために、報酬を活用すべきことは学者・報酬実務家を問わず広く支持されていることである。特に、経営者の業績と報酬を連動させることで株主価値を高めるインセンティブを与えることは株主にとって有益であると考えられている。
従って、株主(あるいはこれから株主となる可能性がある投資家。以下、株主等という)が個々の経営者の業績と報酬をチェックすることができるよう経営者の報酬を個別に開示することは株主保護の観点から望ましい。この点、有価証券報告書等で役員報酬を個別に開示することを義務付けた金融庁の内閣府令改正案は全面的に支持できるものであり、日本のコーポレート・ガバナンス史上、極めて画期的なことである。
しかし、(敢えて申し上げるが)問題も存在する。報酬等の額が1億円以下の役員は個別開示の対象から外すことも可能としていることである。個々の役員報酬を開示させる意味は、株主等が個々の役員の報酬と業績とが連動しているかどうかをチェックするためである。報酬額が高いから開示を要するわけではない。従って、報酬額の多寡にかかわらず、個々の役員ごとに報酬等の種類別に金額等を開示させるべきである。ただ、全ての役員の報酬を開示することは事務処理上困難であることも考慮して、経営トップ、すなわち、代表取締役社長又は代表執行役社長とそれ以外で報酬が上位に位置する四名の役員の報酬を開示させるべきと考える。
2 議決権行使結果の開示について
臨時報告書において、株主総会における議案ごとの議決権行使の結果(得票数等)を開示させることとする金融庁の内閣府令改正案について全面的に支持する。これも日本のコーポレート・ガバナンス史上、極めて画期的なことである。これに加えて、将来的には、第三者による集計と秘密投票の実施を法律上、会社に義務付けることも必要であると考える。
「企業内容等の開示に関する内閣府令(案)」等の公表についての意見
下関市立大学 准教授 溝渕 彰
1 役員報酬の開示について
経営者と株主との間に存在するエージェンシー・コストを削減するために、報酬を活用すべきことは学者・報酬実務家を問わず広く支持されていることである。特に、経営者の業績と報酬を連動させることで株主価値を高めるインセンティブを与えることは株主にとって有益であると考えられている。
従って、株主(あるいはこれから株主となる可能性がある投資家。以下、株主等という)が個々の経営者の業績と報酬をチェックすることができるよう経営者の報酬を個別に開示することは株主保護の観点から望ましい。この点、有価証券報告書等で役員報酬を個別に開示することを義務付けた金融庁の内閣府令改正案は全面的に支持できるものであり、日本のコーポレート・ガバナンス史上、極めて画期的なことである。
しかし、(敢えて申し上げるが)問題も存在する。報酬等の額が1億円以下の役員は個別開示の対象から外すことも可能としていることである。個々の役員報酬を開示させる意味は、株主等が個々の役員の報酬と業績とが連動しているかどうかをチェックするためである。報酬額が高いから開示を要するわけではない。従って、報酬額の多寡にかかわらず、個々の役員ごとに報酬等の種類別に金額等を開示させるべきである。ただ、全ての役員の報酬を開示することは事務処理上困難であることも考慮して、経営トップ、すなわち、代表取締役社長又は代表執行役社長とそれ以外で報酬が上位に位置する四名の役員の報酬を開示させるべきと考える。
2 議決権行使結果の開示について
臨時報告書において、株主総会における議案ごとの議決権行使の結果(得票数等)を開示させることとする金融庁の内閣府令改正案について全面的に支持する。これも日本のコーポレート・ガバナンス史上、極めて画期的なことである。これに加えて、将来的には、第三者による集計と秘密投票の実施を法律上、会社に義務付けることも必要であると考える。
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