2010年1月30日土曜日

累積投票のススメ

 会社法に累積投票制度(会社342条)というのがある。この制度は、次のようなものである。二人以上の取締役の選任を行う場合に、株主は選任する取締役の数だけ議決権を有する。議決権はまとめて一人の候補者に投票することもできるし、分散させて投票することもできる。これは一種の比例代表制とも言え、少数株主からも取締役を選出できる制度である。しかしながら、この制度は現行会社法の下では定款で全面的に排除することが可能である。取締役会内部に混乱を招くことを防ぐのが目的というのだが、むしろ、取締役会が仲良しクラブになっている現在の状況の方が問題であろう。取締役会の多様性を確保し、監視のパフォーマンスを高めるためにも累積投票を積極的に活用すべきと思う。これによって、例えば、従業員持株会から従業員代表を取締役会に送り込むこともでき、ステークホルダー=従業員の利益を考慮することができるであろう。具体的には、累積投票制度を法によって強制するよう会社法を改正すべきことを提唱したい。

2009年12月3日木曜日

オバマ政権の金融制度改革―保険編①ー

 昨年9月に起こった金融危機を踏まえてオバマ政権は6月に金融制度改革プランを公表した。その中でも、保険に関する制度改革についてここでは簡潔に説明したい。なぜ、保険を取り上げるかというと私が今論文を執筆中ということであるからである。

 制度改革の中核となるのが、連邦保険局である。この連邦保険局(Office of Insurance)は、連邦財務省内に設置される。簡潔に言うと、この機関の役割は、保険会社のあらゆる側面について監視を行うと共に、システミック・リスクを助長したり、金融システムを損なう(保険会社に対する)規制に関する問題や欠陥を発見することにある。この改革を含んだ法案は、"The Wall Street Reform and Consumer Protection Act (H.R.4173)"と呼ばれ、下院の委員会において法案が審議されていたが、来週中(12/7-11)に採決が行われる予定である。(http://www.house.gov/apps/list/press/financialsvcs_dem/press_120309.shtml)。